パトリツィア・コパチンスカヤが、音楽監督を務めるカメラータ・ベルンとその首席チェロ奏者トーマス・カウフマンと共に、故郷を追われたあるいはやむなく去った人々をテーマに構成したアルバム。
シュニトケ、パヌフニクほかナイスな選曲ですが、やっぱりイワン・ヴィシネグラツキー!!
四分音です。
四分音とは、半音階の通常の音符間の中間の音高であり、(聴覚的にまたは対数的に)全音(長2度)の半分である半音の半分の音程。
オススメ!
【コパチンスカヤが深い共感を持って描く、故郷を追われた人々の音楽】 パトリツィア・コパチンスカヤが、音楽監督を務めるカメラータ・ベルンとその首席チェロ奏者トーマス・カウフマンと共に、故郷を追われたあるいはやむなく去った 人々をテーマに構成したアルバム。コパチンスカヤ自身、故郷モルドバは自分のなかでもはや失われており、そこに囚われていながらも既に根を下ろしておら ず、自分は永遠に根無し草であると感じていることが、このプログラムの根底にあります。ウクライナとロシアに共通する民族楽器クギクリ(パンパイプ)を使用し て本来演奏される伝承曲の、リズミカルながらもどこか不安を帯びた編曲版から弦楽合奏によるシュニトケのチェロ・ソナタが立ち上がり、巨大な蒸気機関を 思わせる曲想へと発展していくオープニングは圧巻。コパチンスカヤが不穏な響きに乗り澄んだ声で歌うモルドバの伝承曲、故郷ポーランドで演奏を禁じられ たパヌフニク、内的亡命者と呼べるシューベルト、ソヴィエトで12音と四分音による音楽に打ち込みフランスへ亡命したヴィシネグラツキーなどが続き、ラストはイ ザイがシンシナティ交響楽団の音楽監督を務めていた時にヴァイオリンとヴィオラの合奏のために書いた「逃亡者」を収録。鋭利な解釈と表現で作品への深い 共感を刻むアルバムです。
1. 伝承曲: Kugikly クギクリ - ヴァイオリンと、ウクライナとロシアのパンパイプのために (ジョナサン・ケレンによる弦楽合奏のための編曲版)
2-4. アルフレート・シュニトケ(1934-1998): チェロ・ソナタ 第1番 (マルティン・メルケルによるチェロ、弦楽とチェンバロのための編曲版)(2020)
5. モルドバ伝承曲: Cucuşor cu pană sură (灰色の羽のカッコウ)
6-8. アンジェイ・パヌフニク(1914-1991): ヴァイオリンと弦楽のための協奏曲
9. フランツ・シューベルト(1797-1828): 5つのメヌエットと6つのトリオ D 89 第3番 (パトリツィア・コパチンスカヤによる弦楽合奏のための編曲版)
10-12. イワン・ヴィシネグラツキー(1893-1979): 弦楽四重奏曲 第2番 Op. 18
13. ウジェーヌ・イザイ(1858-1931): 逃亡者
- 低音部の無い弦楽合奏のための Op. 25
パトリツィア・コパチンスカヤ(ヴァイオリン、指揮、歌...5) トーマス・カウフマン(チェロ)
カメラータ・ベルン
ヴラド・ポペスク(歌...5)
録音: 2024年3月 ディアコニス教会、ベルン 収録時間: 75分
試聴は、
こちらで。
EXILE
TRADITIONAL
1. KUGIKLY
Transcribed and arranged for string ensemble by Jonathan Keren
ALFRED SCHNITTKE (1934-1998)
2-4. SONATA FOR CELLO AND PIANO NO.1
Version for cello, strings and harpsichord by Martin Merker
TRADITIONAL (MOLDOVAN FOLKLORE)
5 CUCUSOR CU PANĂ SUR
ANDRZEJ PANUFNIK (1914-1991)
6-8. CONCERTO FOR VIOLIN AND STRINGS
FRANZ SCHUBERT (1797-1828)
9. 5 MINUETS AND 6 TRIOS FOR STRING QUARTET, D 89: NO.3
IVAN WYSCHNEGRADSKY (1893-1979)
10-12. STRING QUARTET NO.2, 0P.18
EUGÈNE YSAŸE (1858-1931)
13. EXIL! POEME SYMPHONIQUE FOR HIGH STRINGS, OP.25
PATRICIA KOPATCHINSKAJA VOLIN & DIRECTION
THOMAS KAUFMANN CELLO
CAMERATA BERN