- M21 58:54
Underpinning the foundation of “M21” are some incredible low frequency drones created by amplifying the hum from portable record players. Ugly contact sounds from touching the arms, noise and scratches: all kinds of sounds fly past, warped into a tough, tenacious sound world.
“So this is how you push turntables into revolt! Divorcing them entirely from their original purpose, into a repeating infinite amplification of motors (rotation) and cartridges (contact). Essential!”
──Otomo Yoshihide
ポータブル・レコード・プレーヤーから発せられるハムノイズを増幅させた圧巻の低音ドローンを基軸に、アームを触った接触不良音やノイズ、スクラッチによって捻じ曲げられたさまざまなサウンドが飛び交い、強靭且つタフな世界を現出させる。
「本来の役目を一切放棄したターンテーブルたちは、モーター(回転)とカートリッジ(接触)による無限増幅を繰り返し、かくして蜂起するに至る! 必聴!」
──大友良英
「ちいさなターンテーブル、キックスタートで屹立するでっかい音の壁。
備えましょう。剣林弾雨のサブベースがすぐそこに──。」
──西山伸基
「低周波の持続音を基調とする『M21』は全体が緻密にコンポジションされており、液体のように不定形なサウンドとざらついた接触不良ノイズ、緩慢な変化と急激な展開、あるいは複数の周期的なうなりが生み出すリズム等々、一時間という長さとじっくり向き合うことで聴こえてくる様々な尺度で設えられた構造がある。しかし同時にどの瞬間を切り出してもそれ自体で成立し得るような、構造から自由な音響的断片の連なりでもある——例えば身体性を湛えた巧みなターンテーブル演奏の痕跡はそれだけで耳を惹きつける。これほど高度に構築性と即興性がドローン・ミュージックの体裁のうちに同居することがあるだろうか。耳を擘くノイジーな小品のアンソロジーでもあった『M16』と好対照をなす、毛利桂によるもう一つの代表的ソロ・アルバムが誕生した。」
──細田成嗣(ライター/音楽批評)
クレジット
2022年3月30日リリース
Produced by Katsura Mouri
Mastered by Nobuki Nishiyama
Designed by Miho Ino
P&C 2022 edition zeroso
www.zeroso.jp
ZRS-004